商品開発支援のために、葛の採取時期、加工方法、イソフラボン類やポリフェノール含有量などを検討・分析し、基礎的なデータを蓄積ました。
また、商品化の過程で生じる技術的な課題の解決や、商品に含まれる葛由来成分の分析・評価なども行いました。
有限会社タナベでは、これまでに葛を活用した食品や化粧品などが商品化されており、販路拡大の支援に取り組みました。
生物機能応用技術開発プロジェクト
島根ゆかりの素材を用いた競争力・付加価値の高い美容健康関連製品を開発することで、雇用の創出及び製造品出荷額の像を目指しました。
新規素材開発・製品開発支援について
葛を活用した機能性素材の開発
島根県のオリジナル素材として、葛の蔓と葉を取り上げ、県内事業者と共にその機能性成分に着目した商品開発を進めました。
具体的には、脂肪細胞や肥満モデル動物などを用いて、葛が持つ未知の食品機能性を探索しました。
また、皮膚細胞や皮膚評価装置を用いて、美容素材としての可能性を研究しました。
【脂肪細胞を用いた分化誘導効果の検証例】
葛を用いた商品開発支援
(葛焙煎加工における香気成分評価の一例)

【支援先商品等】(支援先:有限会社タナベ)
α-EG(αエチルグルコシド)を含む製品開発
日本酒には、古くから肌機能への効用があることが知らされています。
この度、奥出雲酒造株式会社との共同研究にて、日本酒を醸造する際に生まれる成分「α-EG(αエチルグルコシド)」を濃縮したエキスを、さらに乾燥粉末化することで、従来の日本酒の約7倍のα-EGを含むパウダーの製造に成功しました。
本プロジェクトでは、この日本酒濃縮エキスパウダーを使用した美肌関連製品の開発支援を行いました。
なお、α-EGは熱や酸に強く、パウダーは水に溶けやすいため、様々な食品への応用が期待できます。
★「うちの商品と混ぜてみてはどうだろうか...」等々、ご興味のある県内企業様は、お気軽にご相談ください。
- 日本酒濃縮エキスパウダー
- 日本酒と日本酒濃縮エキスパウダーに含まれるα-EG含有量の比較
パウダーを使った食品例(ロールケーキ、だし醤油、あご野焼き)
- ロールケーキ
やわ肌 白いロールケーキ - だし醤油
- あご野焼き
連携先企業
- 奥出雲酒造株式会社(日本酒濃縮エキスの製造)
- 有限会社井山屋製菓(「やわ肌白いロールケーキ」、「やわ肌フィナンシェ」の開発・販売)
販路開拓支援について
機能性表示食品のSR(システマティックレビュー)作成支援
- 桑イミノシュガーによる食後高血糖抑制
- エゴマ油に含有するαリノレン酸による血圧低下作用
- エゴマ油に含有するαリノレン酸によるLDLコレステロール低下作用
お問合せ先
島根県産業技術センター生物応用科:渡部
Tel:0852-60-5153(直通)
Mail:sangisen@pref.shimane.lg.jp