エレクトロニクスにおける印刷技術は、従来のフォトリソグラフィに比べ、工程数、設備コストを大幅削減し、環境負荷を低減する手法として注目されており、適用分野の拡大が研究されている。センターでは印刷技術による静電容量センサの特許、技術を有していたことから、この原理を利用した離床センサについて日本電子精機株式会社と共同開発を行った。

静電容量測定による離床のセンシング

静電容量
  1. 静電容量を測れば、誘電率、電極面積、極間距離に関する情報が得られる
  2. 離床センサにおいては「人」は「電極2」扱い
  3. 「電極1」から「電極2」が離れれば静電容量は減少する
→ ベッドに電極1を置いて静電容量を測っておけば「離床」が検知できる

離床センサの開発ビジョン

  • 使い捨て印刷センサシート ⇒ 洗浄などの作業者の作業負担軽減
  • 視認されにくい防水シート型 ⇒ 使用者の精神的圧迫感軽減
  • 離床前の予知発報アルゴリズム ⇒ 迅速報知による転倒リスク軽減

離床センサの開発

センサシステムの構成(一例)

センサシステム構成

検出原理 自己容量式
出力先 ナースコールシステム
チャンネル数 12チャンネル
電極作製工程 大型スクリーン印刷
印刷基材 プラスチックフィルム
電極シーツサイズ 約1300 mm × 約 950mm
電極シーツ厚み < 0.2 mm                              

 

離床センサ

測定データとデータ処理(一例)

データ処理1_1

複数の規定の離床動作を行い測定データを取得(図は動作の一例)

データ処理2_1

測定初期のデータを基に閾値判定=信号のバイナリ化
バイナリ信号などをもとにアルゴリズムを構築

※システム、データは開発中のものです。

製品化

病院、社会福祉施設の協力を得て実地試験を実施したのち、日本電子精機株式会社が県内に製造拠点を設置し製品化した。
製品
JEMカタログ1
JEMカタログ2

※本研究は令和元年度から令和3年度の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業/現Go-Tech事業)の助成を受けて実施しました。

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