島根県産業技術センター
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
三重大学大学院生物資源学研究科
背景
屋根葺き材料の一つである石州瓦の屋内環境に与える影響を明らかにし石州瓦の持続的な発展を目指す!
実験
実大実験用住宅を用いた環境評価
石州瓦とガルバリウム鋼板を葺いた同仕様の実大実験用住宅の屋内環境の比較
- エアコンを設置し、夏期と冬期に冷・暖房運転を実施した。
屋根模型を用いた降雨時の騒音評価
屋根模型への降雨打撃音を可視化した音響性能の視覚的な評価
- 屋根模型への降雨の様子を音源探査装置で撮影し、降雨打撃音の計測・可視化を試みた。
- 人工降雨装置および自然降雨時の評価を行った。
音源探査装置
屋内騒音レベルの測定
- 屋根模型の屋内に設置したマイクで降雨打撃音を録音し、騒音レベルを比較した。
結果・考察
エアコン消費電力
- 夏期の消費電力は、石州瓦葺きの方が有意に低く、石州瓦葺きは省エネ性能が高いといえた。
温度分布の可視化
- 石州瓦葺きの方が小屋裏温度、屋内温度共に低かった。石州瓦葺きでは屋根から侵入する熱が少なく、冷房が行き届いていることがわかった。
音源探査装置による音の可視化
屋内騒音レベル
- 石州瓦葺きはガルバリウム鋼板葺きよりも騒音レベルが有意に低く、遮音性が高いことがわかった。
まとめ
- 屋根葺き材料の違いによって屋内環境に有意な差が認められた。
- 石州瓦葺き屋根は断熱性・遮音性に優れており、快適で過ごしやすい屋内環境が実現できた。
- この様なメリットを見える化し、消費者にわかりやすく発信することは、産地としての持続的発展につながると考える。
担当科