業務概要

木質材料科では、木材および建築部材のような複合材料を対象とした試験研究を行っています。評価手法としては、強度性能の評価、温度や水分に対する寸法変化や劣化の程度といった物理評価および機器分析の手法を用いた成分抽出や物質同定などの化学分析があります。

強度性能評価

家具部材の品質評価

家具の曲げ試験
曲げ試験

家具のはく離強さ試験
はく離強さ試験

木ねじ保持力試験
木ねじ保持力試験

建築用部材の曲げ試験

建設に用いる木材の強度を確認したいという相談に対して、産業技術センターにおいて曲げ試験を行って性能を確認しているところです。

建築用部材の曲げ試験

木造住宅壁の強度試験

木造住宅の壁の強度試験を行っているところです。地震や台風などが発生すると、壁は土台が固定された状態で屋根だけが動きますので、壁が平行四辺形に変形します。壁に高強度の合板を釘打ちして、さらに釘の数も増やせば、壁は変形しにくくなります。この状態を模した試験を行い、壁の変形しやすさを評価しています。

木造住宅壁の強度試験

温度や水分に対する性能評価

木質材料の水分に対する性能評価

木質材料の水分に対する性能評価1
木質材料の水分に対する性能評価2

木質材料を水に漬けたり、あるいは高い湿度で設定した恒温恒湿器の中で養生した時、材料がどのように変化するかといった評価を行っています。合板とOSBを水に漬けたときの状況では、一番左側、水に漬けないときと比較すると、1回水に漬けたとき、2回目水に漬けた時、3回目、4回目と、材料が膨らむことが分かります。

機器分析の手法を用いた成分抽出や物質同定

木質ボード抽出物の分析

図12

合板に含まれる有害物質を分析しているところです。溶剤で抽出を行い、濃縮したものをガスクロマトグラフ、あるいは液体クロマトグラフで分析して、種類や割合を特定します。

研究事例

木質材料科では、次のような研究開発をおこなっています。

木質建築用構造部材の強度特性の評価

実物大の大型部材の破壊試験により強度特性を評価するとともに合理的な強度試験方法の開発に取り組んでいます。


主な使用機器

  • 万能引張圧出試験機
  • 面内せん断試験装置
  • 変位計
木質建築用構造部材の強度特性の評価

帯鋸刃の形状と製材品質の評価

被削材に適した帯のこ刃の開発を行うため、帯のこの切削性能評価を行う装置を考案し、評価を行っています。


主な使用機器

  • 帯鋸盤
  • 変位計
  • 高速度カメラシステム
  • 非接触三次元デジタイザー
帯鋸刃の形状と製材品質の評価

瓦屋根を用いた住宅の居住性評価

瓦屋根は夏場は涼しく、降雨騒音も低いとされます。屋根材料による違いを明らかにするため、機器を利用した評価を行っています。


主な使用機器

  • 人工気象装置
  • 温湿度計
  • データロガー
  • 騒音計
  • 音源探査装置
瓦屋根を用いた住宅の居住性評価