技術背景

 紙マニュアルだけでは伝わらない熟練者の動作や音声、作業の流れを動画として撮影し、技術伝承に活用する取り組みがあります。動画活用では、伝達情報量が増える利点がある一方、動画のカットやテロップ挿入、熟練者にヒアリングした内容の反映など、動画編集の負担が大きいといった課題もあります。

動画コメントソフトウェアのご提案

 動画活用の課題に対し、島根県産業技術センターでは、動画活用の利点を持ちつつ、熟練者の技術を可視化することが可能な動画コメントソフトウェアを試作しました。興味・質問等がありましたら、担当科までご連絡ください。

1_ソフトウェア外観

使用方法

 この試作ソフトウェアは、動画中の該当シーンに対して、コメント入力し表示するシンプルな機能設計となっています。使用例は下記のとおりです。

  1. 事前に撮影した作業動画について、試作ソフトウェアにて読み込み
  2. 熟練者による、シーン選択と作業説明のコメント入力
  3. 初心者による、シーン選択と質問コメント入力
  4. 熟練者による、質問コメントに対する回答コメントや補足説明の入力

 熟練者と初心者による、コメントを通じたコミュニケーションを取ることで、作業の目次化、熟練者の技術や考えの可視化、若手技術者の疑問点解消につながった作業手順説明が出来上がります。

2_ソフトウェア概要

活用方法

 試作ソフトウェアの活用方法として、新人教育が挙げられます。一連の作業手順を動画とコメントで確認できるため、熟練者が教えたい内容を自主学習することができます。また、知りたい作業手順だけを確認することや、現場で見ながら作業する、といった必要に応じたピンポイントでの活用も可能です。

3_活用方法

視線動画との組み合わせ

 島根県産業技術センターでは、視線計測装置「TobiiProグラス3」を保有しており、作業中の熟練者視点における視線の動きや注視箇所の可視化などが可能です。動画コメントソフトウェアと組み合わせることで、熟練者の視線を反映したノウハウの可視化にも応用可能です。

4_Tobiiグラスとの連携

担当科(問い合わせ先) 

所属 電話番号

情報技術・デザイン科

(0852)60−5120