実験結果により判明した冷凍トマトの香りの特徴を加味し、冷凍トマトを主原料とした加工品の開発を支援。
地域食品資源を活用した特産品開発支援について
2023年04月13日
果実茶-日本茶とドライフルーツで2度美味しい-
ドライフルーツの加工過程で発生する「果物の皮」を活用した新感覚のフルーツ茶を作りたい。という相談を受け、各種の機器分析により果物の皮と組み合わせたお茶の特徴を調べた。
島根県立大学のビジネスプランアイデアコンテストをスタートに、地域資源を活用して浜田市を元気にしたい!という学生の想いを受けて製品化が進められた。
網羅的分析
- 水分、水分活性
- カテキン、テアニン分析
- GCMSによる香気成分分析
- イオンクロマトグラフによる陽イオン、陰イオン、ネラル分析
- ポリフェノール
- 糖類の溶解速度測定
- 味覚分析
使用機器
水分活性測定装置GC/MSHPLC イオンクロマトグラフフーリエ変換赤外分光光度計マイクロプレートリーダー味認識装置
- お茶に由来するポリフェノールやカテキンといった成分に加え、カリウムやクエン酸など果実由来の成分も含まれることが示された
- 香りはお茶の爽やかさや香ばしさだけでなく、果実が加わることでよりボタニカルで華やかな香りに特徴があることが示された
- 苦味や渋味がマイルドになり、調和の取れた味わいになっていることが示された
クラフトビール
石見空港の空港蜂蜜生産で生じる蜜蝋を使ったビールを開発したい。という相談を受け、副原料である蜜蝋の間微生物や成分などを調べることでその製造開発を支援した。
さらに、地域資源、地元の食材を活用したクラフトビールの商品群の中で、蜜蝋のビールがどういった特徴を持つかと言うのを明確にするため様々な分析を行った。
地域資源を活用したクラフトビールの商品群高津川リバービア株式会社
味と香りのレーダチャート
分析結果を消費者に分かりやすい表現に変換
- 味のレーダーチャート
- 香りのレーダーチャート
研究報告
地域資源を活用したクラフトビールの成分分析による特徴の可視化(PDF:1.1MB)
トマト
農産物の規格外品は冷凍により保存後、加工品として利用されることがあるため、冷凍保存による成分変化を把握することは加工後の品質を考慮する上で重要である。浜田市の TC 浜田農場(浜田市金城町)で栽培されるトマトの規格外品は、食品ロス低減のため市内の食品加工業者が利用しており、そこから「一度冷凍した方が美味しく感じる場合がある」との情報を得た。そこでトマトの冷凍保存による香味成分の変化を科学的な手法で明らかにすれば規格外品を利用した商品開発に役立つと考え、トマトの保存方法の違いによる香味成分の差異について調査した。
美味しさに関係する成分分析
製品化支援
研究報告
バトウ
浜田港では年間約 75 トンが水揚げされるマトウダイ(バトウ)は、三枚に下ろしてフィレに加工され、刺身やフライとして食べられている。加工過程で生じるアラなどの未利用部の有効利用による食品ロス低減、特産品開発を支援する目的で、バトウのアラ及びその一次加工品(エキス)の成分を調査した。
網羅的分析
- 栄養成分分析
- HPLC による遊離アミノ酸及びタウリン分析
- HPLC による核酸関連物質分析
- ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸分析
- 原子吸光によるミネラル分析
- GC/MSによる香気成分分析
使用機器
- バトウの未利用部である「アラ」を原料として製造したバトウエキスはアミノ酸やタウリンを豊富に含んでいることが確認された。
- グルタミン酸を豊富に含んでいることから旨味が強く、含まれるアミノ酸の種類が多いことから複雑な味わいになるであろう事が示された。
- ナトリウムを多く含む事から味が濃く、調味料の原料として有用である可能性が示された。
- 香気成分は魚介類に特徴的な成分を含んでおり、香りに特徴を出すことが出来る素材であることも示された。
製品化支援
バトウエキスの商品群
バトウらーめん(浜田市の特産ガイド) バトウの万能だし(浜田市の特産ガイド)
研究報告
バトウ未利用部およびバトウエキスの成分評価(PDF:478kB)
担当科
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