復刻若草松江を代表する銘菓「若草」。
若草は求肥の周りに、春の新緑をイメージした緑色の粉をまぶした和菓子です。
この緑の粉について、島根県産のヨモギ由来の天然の着色を使用したいということで相談がありました。

センターではヨモギの粉末化について、効率よく、低コストで、どこの現場でもできることを目標に条件検討するとともに、和菓子に使用した際の香りの分析や粒度の分析など支援しました。

  • 採取から粉末化までの流れの検討
  • 彩度、香気成分、粒度の測定
  • 職人による使用感の検討
  • 消費者アンケートの実施

香気成分の検討

ヨモギ生葉の香り

ヨモギ生葉の香り

  • 残したい香りを選抜
  • 前半の香りは柑橘様で残さなくても良い

ヨモギ乾燥葉の香り

ヨモギ乾燥葉の香り

  • 抹茶の香りを邪魔しないで、ヨモギの青さを残した香り

生葉の香りの前半は柑橘にも含まれる爽やかな香りで、後半のカリオフィレンはウッディで新緑に似た香りの成分です。乾燥温度を変えるとこの香気成分の残り方や分布が変わるので何パターンか乾燥方法を変えて理想の香りの出る方法を検討しました。

乾燥葉の香り成分では本来残したかったカリオフィレンをメインに残し、前半の爽やかな香りは抑えた様子が分かります。和菓子はお茶の引き立て役ですので、できるだけ抹茶といっしょに頂いた際に邪魔にならないような香りを意図して乾燥方法を調整しています。

粒度の検討

若草粒度比較1

若草粒度比較2
若草粒度比較3

粒度の検討は、粒度の違うパウダーを試作し、職人に実際に使ってもらいながら使いやすい大きさを探り、彩度や香り成分を測り、1番理想に近いものを探りました。

担当科 

所属 電話番号

生物応用科

(0852)60−5126