目的

県内経済が発展するためには、県外からの外貨を獲得できる産業の振興が必要であり、そのためには、企業の技術力・競争力の強化や、成長する産業・市場への進出など新事業の展開への支援が重要である。

そこで、技術革新が見込まれる先端分野や県内ものづくり産業の強みを活かしたテーマを設定して、県内企業と産業技術センターが密接に連携して研究開発に取り組むことにより、地域の所得と雇用の拡大に寄与する。

背景

プロジェクト開始当時は、国内の人口減少率が過去最大となり、国内市場が縮小する中で人手不足が深刻化するという厳しい経営環境にあった。このような厳しい状況に打ち勝ち、県内企業が所得や雇用を維持・拡大するためには、新たな製品・技術の開発や生産性向上などの体質改善が急務となっていた。

一方、県内企業の多くは中小零細企業であり、単独で研究開発に取り組むことが困難な企業が多いことから、県内企業と産業技術センターが密接に連携して迅速な研究開発や体質改善に取り組むことが求められていた。

内容

  • 事業期間:平成30年度~令和4年度
  • 研究テーマ:これまで企業と培った技術成果をさらに発展させ、売上、雇用に加え、企業の体質改善を加速させるテーマ(技術発展型・6テーマ)と企業・市場・地域性を踏まえ、新たな製品・技術の開発に取り組むテーマ(可能性探索型・3テーマ)の9つのテーマを設定
テーマ 内 容
技術発展型 切削・生産加工技術強化 航空機エンジン部品等の素材となる特殊鋼の加工技術開発、県が開発した快削性鋳鉄の製品化支援、医工連携による医療機器開発
シミュレーション・可視化技術応用 製品設計等にシミュレーション・可視化技術を活用することで、製品・技術開発力の向上を支援
AI・通信技術を用いた支援ロボット開発 AI・通信技術を用いた企業の生産性向上に資するシステムの開発
高機能センシング応用製品開発 県が開発したプリンテッドセンサー技術、バイオ技術等を応用したセンサー製品の開発
多様な形状・材料への曲面印刷技術開発 複雑な形状の電子機器の筐体等への曲面回路印刷、部品一体成型等の技術開発
生物機能応用技術開発 動物や微生物が有する機能を活用した、資源循環型環境技術及び美容・健康製品等の開発
可能性探索型 木質新機能材料開発 セルロースナノファイバーなどの新たな木質材料を活用した製品開発
生体反応活性化技術開発 廃棄されている未利用素材、県内無機素材等の生体反応を利用した新規用途開発
食品等高品質加工処理技術開発 食材の高品質化や加工工程の効率化を実現する食品加工技術の開発
  • 中間見直し:令和2年度において、事業化の可能性と効果等を検証して中間見直しを行い、可能性探索型の3テーマを廃止することとした。また、見直しに伴い目標を下方修正した。
    • 生体反応活性化技術開発プロジェクト
      研究課題を達成したため、企業主体の取組に移行(成果目標には計上)
    • 木質新機能材料開発プロジェクト
      連携企業の事業化スケジュールが先送りされ、事業期間中の成果達成が困難となったため、通常の技術支援に移行
    • 食品等高品質加工処理技術開発プロジェクト
      長期に渡る基礎研究が必要となったため、通常の技術支援に移行
  • 成果目標
    【開始時】 製造品出荷額45.6億円、雇用創出人数105人
    【見直し後】製造品出荷額37.1億円 雇用創出人数 93人