2.1.供試材料とその特徴
ポリエチレンテレフタレート(図1に構造式を示す)
- 比重 1.34 融点245℃の結晶性樹脂
- 用途 繊維製品、フィルム、食品・飲料用ボトル、自動車用、工業用
研究事例
2023年08月22日
浜田技術センター
プラスチックは、それまでに受けた熱処理により、加熱されたときの材料の膨張・収縮の過程、あるいは熱の吸収・放出などの反応が異なる。本研究ではポリエステル(PET;ポリエチレンテレフタレート)の透明シートを用いて、熱分析装置(DSC6200 (株)日立ハイテクサイエンス)を用いて熱処理後の示差走査熱測定を行い、熱処理の影響を検討した。
ポリエチレンテレフタレート(図1に構造式を示す)
図1.ポリエチレンテレフタレートの構造式1)
熱分析測定を行う前に装置内で一定温度、一定時間熱処理を行った。その後、20℃まで冷却してから測定を開始した。測定での温度スケジュールの一例として図2に熱処理と測定の時間経過を示した。レファレンスには空容器を用いた。
熱処理時間は30秒から24時間、熱処理温度は90~230℃で行った。
図2.装置内で行った温度スケジュールの一例
熱処理温度(℃) | 120 | 140 | 160 | 180 | 200 | 220 |
---|---|---|---|---|---|---|
結晶融点(℃) | 132.2 | 152.4 | 172.3 | 192.8 | 218.1 | 237.9 |
融解熱(J/g) | 0.30 | 1.03 | 1.50 | 2.54 | 3.49 | 9.93 |
表1.熱処理で生成した結晶の融点(熱処理時間1時間)
図4.熱処理時間の影響(160℃)
図5.熱処理温度・時間と結晶の融点の関係
1.大井秀三郎,広田愃. プラスチック活用ノート. 1999,p192-194.
所属 | 電話番号 |
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